自分の人生、何勝何敗? 006


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嵐山光三郎さんの『不良定年』(ちくま文庫)という書籍を以前読んだのですが、38歳で平凡社を辞めて、フリーの編集者・作家になられた嵐山光三郎さんの「男たる者、不良オヤジたれ!」っていう彼の生き方を軽妙なエッセーで、おもしろいエピソードと共に指南していく書物で、見倣いたい『考え方』が随所に出てくるオススメの本です。

その中で一番惹き付けられたのが、『人生十五番勝負』という章です。

仮に人が現役でいられるのを七十五歳として、なのでそれ以上生きれば人生の優雅なるオマケらしいのですが、その七十五年を、相撲に例えて、十五番勝負だとすると、五年間が一勝負になり、現在、何勝何敗となるか?というもの。

ちなみに『不良定年』では、嵐山さんご自身の星取りが五年ごとに分析してあって『六十五歳の時点で七勝六敗である。できることなら、七十五歳まで生き延びて、勝ち越したい』とあります。そして「人生十五番勝負で全勝なんて人はまずいない」だろうし、「十三日目で全勝だの一敗だのの優勝圏内の力士は、さしておもしろくない。」ともあります。「八勝七敗で勝ち越しで、大逆転賞」って相撲がおもしろいんじゃないか!と。

僕もまさにそう思います。「人生振り幅が大きい方が、おもしろい」というのが、僕の信条でもありますし、その“不良”な生き方、物凄く共感するのです。そして嵐山さんに倣って、まもなく45歳になる僕も現在までの星取り表つけてみました(笑)。現在九日目の勝負していることになります。

一日目(01~05歳)勝ち○。
生まれてきたから、とりあえず勝ちとする。(嵐山さんと同じ考え方です)

二日目(06~10歳)勝ち○。
小学生、うん、まあ勝ちかな?いろいろ嫌なこともあったけど、やっぱ楽しかったから。

三日目(11~15歳)負け●。
中学生まで。うーん、負けだよな。なにせ全然もてなかったし(笑)。

四日目(16~20歳)負け●。
高校、浪人時代。今から考えるとめちゃめちゃ楽しい時代だけど、でも星取り的には負けかな。悶々としてたし。

五日目(21~25歳)勝ち○。
華の大学生時代!時はバブル。僕の人生的にもバブルでした(笑)。めちゃめちゃあの頃に戻りたい、一番楽しかった頃です。まさに大勝。

六日目(26~30歳)負け●。
テレビ局に就職して、一転して辛いADやロケDの時期。もう会社でずーっと働いてました!そして気付いたら終わってました20代。悲しい。

七日目(31~35歳)勝ち○。
仕事も覚え、チーフDやPになって立場もよくなり、番組も好調!なかなか、よい時間を過ごしました。

八日目(36歳〜40歳)負け●。
ゴールデンの番組を無くし、新規ネット配信会社GOOMOを立ち上げる。すごく勉強になった年代ですが、結果的に結果を産んではいません。

九日目(41歳〜45歳)勝負中。
まさにいろいろバラエティに勝負中。独立採算番組『オトナの!をはじめ、映画監督やったり、本を執筆したり、ライブを主催したり、まさにバラエティにいろいろやることになり、僕が今の“バラエティプロデューサー”という肩書きで仕事をしているのも、この九日目からなのです!


ということで、今のところ八日目までの結果が四勝四敗です。そっか、四勝四敗のタイなのか!・・・あらためて自分の人生の星取表作ってみると、ギリギリ引き分けなんて、なかなか味のある人生です(笑)。

でも、八日目までがタイなので、九日目を闘っている今、僕はあえて守りに入らず、好きなことを思う存分、まさにいろんなやりたいことをバラエティにチャレンジできているとも言えるわけです。

みなさんも自分の人生の星取表作ってみるのもいかがでしょうか?
現時点で何勝何敗かわかると、これからの人生やってみたいことが、具体的に見えてきますよ!

ky角田 陽一郎 かくたよういちろう
バラエティプロデューサー/ディレクター/映画監督

いとうせいこう/ユースケ・サンタマリアMCの深夜のTBSトーク番組「オトナの!」プロデューサー
東京大学文学部西洋史学科卒業後、TBSテレビに入社。TVプロデューサー、ディレクターとして「さんまのスーパーからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「EXILE魂」等、主にバラエティー番組の企画制作のほか、映画「げんげ」監督、ACC CMフェスティバル・インタラクティブ部門審査員、その他多種多様なメディアビジネスをプロデュース。著書「究極の人間関係分析学 カテゴライズド」(クロスメディア・パブリッシング刊)、編著「オトナの!格言」(河出書房新社刊)好評発売中。


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