アジカンと音楽 002



3月25日にゼップ東京でASIAN KUNG-FU GENERATIONの『Tour2015〜酔杯フォーエバー〜』を観ました。

もうあまりにかっこよくて最高で、そして今度出るニューアルバムを聴かせていただいたら、いやほんとすごい傑作アルバムです!1曲目からのめちゃめちゃロックの疾走感で2曲目に行っちゃう爽快感はもうハンパないです!なんだこの真っ直ぐな正真正銘のロックンロールアルバムは!最高!!進化し深化し続ける音楽。今が一番最高傑作って何て素晴らしいのだ。てことで今回はアジカンのことを書こうと思う。

アジカンは、先日3月12日に僕らが開催した『オトナの!フェス2015』に出演していただきました。さらに2年前の2012年には番組『オトナの!』にゴッチこと後藤正文さんにご出演していただき、そのご縁でゴッチが主催するレーベルサイトonly in dreamsの年間ベストアルバムを不肖わたくしも選ばせていただいております。

「only in dreams/2014年ベストアルバム」
http://t.co/HVMJDRGLNa

僕はただの音楽好きなので、よくライブに行きます。年齢を重ね、年々体力の衰えを感じて、夏フェスなんかほんときついですが、それでも毎年結構行っています。それもシゴトというより、ただ自分が好きだから行っています。今回3回目になる『オトナの!フェス』の具体的な出演者等を考え始めたのは昨年秋くらいですが、そのきっかけになったのは、まさに昨年経験した夏フェスからなのでした。

昨年7月12日13日に横浜アリーナで行われた『ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN FES.2014』、最後に登場したアジカン、そんなプレイ中のある曲の前に話していたゴッチの言葉に、僕はあまりに感動してその場で恥ずかしながら号泣してしまったのでした。ゴッチは確かこんなことを言っていました。

「僕はロックミュージシャンだから知ってしまったら黙っているわけにはいかない。
いいものを作り続けるしかない。そうすれば、ちょっとだけでも世の中が変わっていく。
だからみんなはこれからも僕らにいいものを作れと、言い続けてくれ。
だけどそのいいものはこの4人にとってのいいものだから、
もしみんなのいいものと違ったら、そんときは勝負だ。」


この言葉に感動した僕は、僕も作り手の端くれとしていいものをこれからも作り続けようと思い、自分が思ういいもので皆と勝負しようと固く誓ったのです。そしてますますアジカンが好きになりました。アジカンにぜひ僕らの『オトナの!フェス』にも出演してもらって、こんなゴッチのメッセージを僕らの番組でぜひ放送しちゃおう!そう思ったのでした。

そして僕のこの思いをMCのせいこうさんとユースケさんに説明して快諾をいただき、アジカンのマネジメントに打診しました。というより、正確にいうと“打診”なんてかっこいいもんじゃなく、僕が夏フェスで体験した熱い思いをただ、マネジメントの方に熱く語っただけなのですが(笑)。・・・ほどなくして出演を快諾してくださいました。ただの音楽好きバラエティプロデューサーの想いだけで出演していただけるなんて、プロデューサー冥利に尽きます。

そして『オトナのフェス!2015』のいよいよ最後はASIAN KUNG-FU GENERATIONです!

「ソラニン」から始まり、新曲「Easter」や初公開の「猿の惑星」もプレイします。
会場は熱狂に沸き立ち、一体感に包まれました。そして曲間には照れながらも言うゴッチの真摯な言葉がありました。

「俺たちはなんも飛び道具もない、不器用に実直なものをやるしか能がないバンドです。
例えば自分が凡庸だとしても、なんかうまくいかないと思ってもやるしかないんだよ。
だいたい世の中に出てる人って何が凄いかって、みんな続けるんだ、
やめないんだよ、そこだけなんかネジが外れてるんだよ。
俺らも昔いろいろ言われたよ、こんなバンド売れるかよ!ってさ。
でも続けたらなんとかなったんだよね。
絶対いつか伝わると思ってやってたんだよ。
誰かが見つけてくれるってずーっと思ってたんだよ。」


僕はこのゴッチの言葉を聞いて確信しました。好きなことは好きなだけやったほうがいいんだ。いや、そうするといろいろ難しいことだっていろいろあるし、周りからはなんか文句もいわれるし、それを続けていくってのはやっぱそれだけでも厳しい。だけどその思いだけが結局人の魂を揺さぶることができるし、それを見て魂を揺さぶられた人が、またいろんな物を産み出していこくことで、また次のいろんな人の魂を揺さぶることができる!それってなんて素晴らしいんだろう。僕も、アーティストのみなさんの魂を揺さぶる音楽とそこで熱狂するお客さんの姿を見て、こんなに魂が揺さぶられたのならば、その揺さぶられた魂で、これからもバラエティにいろいろ作り続けていこうと、そう確信したのでした。

気恥ずかしそうな表情をしてゴッチは語ります。

「今日はありがとう。なんか熱いMCしちゃったね。Twitterにダサかったって書いといて」と。
「みんないろいろあるけどさ、明日からもポップにいこうね」と言って最後の曲「今を生きて」の演奏を終えました。

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・・・僕は、本当よく泣きますが、僕はまたゴッチの言葉を聞いて、「今を生きて」を聴いて、泣いてしまいました。
本当に本当に最高の音楽でした。

「ASIAN KUNG-FU GENERATION 後藤正文日記『オトナの!とテレビ』2015年3月12日」
http://6109.jp/akg_gotch/

この日のことやテレビのことをゴッチがブログで書いていてくれて、
これを読んでまたすごい勇気づけられました。テレビもがんばろうと思います!
アジカンは最高。


ky角田 陽一郎 かくたよういちろう
バラエティプロデューサー/ディレクター/映画監督

いとうせいこう/ユースケ・サンタマリアMCの深夜のTBSトーク番組「オトナの!」プロデューサー
東京大学文学部西洋史学科卒業後、TBSテレビに入社。TVプロデューサー、ディレクターとして「さんまのスーパーからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「EXILE魂」等、主にバラエティー番組の企画制作のほか、映画「げんげ」監督、ACC CMフェスティバル・インタラクティブ部門審査員、その他多種多様なメディアビジネスをプロデュース。著書「究極の人間関係分析学 カテゴライズド」(クロスメディア・パブリッシング刊)、編著「オトナの!格言」(河出書房新社刊)好評発売中。

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